経営に必要な税金・事業資金調達等について分かりやすく解説します。

最低限知るべき税金知識と資金調達法

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“黒字倒産”という言葉があります。
これは、会社の損益上は黒字なのに資金が足りなくて倒産してしまうことです。
事業を始める時も、始めた後も、事業を継続するためには資金が重要であることを物語っています。

 

事業を行う会社や個人事業主様が活用できる「税金知識」をはじめ、「資金調達方法」にはどんなものがあり、それぞれどんな特徴があるのかをご紹介してまいります。

 

 

企業が払わなければならない税金

企業は、利益が発生した場合その中から税金を納めなければなりません。
代表的なものですと所得税・法人税・法人事業税が挙げられますが、税率や納付先が異なりますので、各税金毎の正しい知識が必要です。

 

また、利益が発生しなかったとしても、消費税や源泉徴収税は納めなければなりませんので、経営を行う上で税務は避ける事が出来ないタスクと言えます。
計画的に税金を支払わなかったことにより黒字倒産してしまった企業や、目先に利益にとらわれて「申告漏れ」「脱税」等により摘発されてしまった企業等、税金によって経営が続行出来なくなってしまったケースは数知れません。
損をしないためにも、税金に対するリテラシーを身に付けましょう。

 

 

資金調達方法の種類と特徴

資金調達の種類イメージ

資金調達の方法は、資金の源泉によって、他人資本(負債)自己資本(株主資本)の二つに分かれます。他人資本と自己資本それぞれの特徴をご説明しましょう。

 

他人資本とはどんなもの?

「他人資本」とは、企業にとって”負債”にあたり、将来、他人(貸主など)に対して返済しなければならないお金のことで、「借入金」「社債」などが該当します。
これらは一時的にまとまった資金として手に入りますが、いずれは貸主などに返済しなければならないものであり、また、利息も支払わねばならないものです。
したがって、他人資本で資金を調達する場合は、事業計画とともに資金計画を作成し、借入金の返済を計画的に行っていく必要があります。

 

自己資本とはどんなもの?

「自己資本」とは、会社の純資産の一部であり、株主が出資した「資本金」や、事業活動の結果として獲得した「繰越損益」などが該当します。
自己資本は他人資本とは異なり、将来返済する必要がない資金であり、収益を上げて利益を増やす、新たに株式を発行(増資)する等で増やすことができます。
出資が増えた分、株主には事業活動の成果として分配する「配当金」が大きくなりますので、出資者のために事業計画を達成し、しっかり利益を上げて配当を実施することが求められているのです。

 

 

具体的な資金調達方法について

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企業として利用できる資金調達方法は、さまざまなものがあります。
その種類には、他人資本になるもの、自己資本になるもののほか、返済不要で自由に活用できるものもあります。

 

信用金庫からの融資

事業資金の融資(借入金)を考える場合、銀行から融資を受けるのが一般的ですが、中小企業や個人事業主への融資について、特に都市銀行は積極的ではありません。
ここで頼りになるのが「信用金庫」からの融資です。
信用金庫は地域に密着した経営を行っており、創業間もない企業や中小企業の運転資金なども融資してくれる可能性が高いのです。
特に、会社の取引口座として、また、代表者個人として、信用金庫に口座があると融資を受けてもらいやすくなります。

 

信用金庫からの融資も、いずれ返済する必要があるものなので、しっかりとした事業計画に基づく返済可能な資金計画を立てて、相談する必要があります。

 

日本政策金融公庫の公庫融資

「日本政策金融公庫」とは、日本国政府が100%出資している団体で、日本経済の活性化支援など公益を意識した経営を行っています。
日本政策金融公庫には、「普通貸付」「経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)」「新規開業資金」「女性、若者/シニア起業家支援資金」など、対象者や企業状況に応じて利率や融資限度額もさまざまな融資制度が数多くあり、自社に最も適した融資制度を選択することができます。
中小企業や個人事業主が利用できるものが充実していて、とてもありがたい存在です。

 

信用保証協会の融資

「信用保証協会」とは、中小企業が金融機関から融資を受ける時に、借入金の保証をすることを業務とする特殊法人です。
各信用保証協会では、小規模企業融資や創業支援融資などを行っていますので、募集要項や審査内容を確認して、条件が合えば相談してみるのも良いでしょう。

 

個人借入

公的機関や金融機関からの融資に係る手間や時間を省き、簡単に融資を受けたいのであれば、親族や友人から個人的に融資を受ける方法もあります。
ですが、個人借入は担保も取らず、約定も口約束であったりすることが多く、利息の支払いや返済が滞ったときに関係が悪化することになります。

 

また、親族から返済予定のない資金を融通してもらったり、無利子で融資してもらったりした場合、贈与として税金が課される可能性があります。
無計画な借入は予期せぬトラブルを招くこともありますので、金融機関からの融資同様に約定も書面にして交付するようにしましょう。

 

ベンチャーキャピタル

「ベンチャーキャピタル」とは、成長する可能性が高いベンチャービジネスへの投資を主な業務とする企業です。
株式上場やM&Aによるキャピタルゲインの獲得が見込めない出資は行いませんので、どんな事業を展開するか不明確な企業や、成長性が乏しい企業には投資する可能性が低いです。
裏を返せば、優れた知的資産や独自のノウハウなどがあり、これを優れた事業計画にまとめ上げることができれば、まとまった出資を得られる可能性があります。

 

クラウドファンディング

「集めたお金でこんなことをしたい」という事業者のアピールに賛同した人たちが、インターネットを通じて資金を提供するもので、最近、多くの分野で利用され始めている資金調達方法です。
賛同者から集めた資金に対しては、報告書・お礼状、実際に製作した商品などの出資目的に沿ったリターンを、資金提供額に応じて行うのが通常です。
資金提供者は、投資という感覚ではなく、魅力的な夢を応援する意識が強く、多くの人々を魅了する夢・希望にあふれた事業を志している事業者にとってはピッタリの資金調達方法と言えるでしょう。

 

ファクタリング

これまでご紹介したものは、他人資本または自己資本による資金の調達方法になります。
これらとは別に、自社の債権を売却して現金化する方法もあります。
こちらは「ファクタリング」と呼ばれるもので、企業が保有している売掛金を専門業者が買い取る仕組みです。
売掛金が回収されるのを待たずに現金化でき、当座の資金需要を満たす方法として注目を集めています。
ただし悪徳業者も中には潜んでいます。資金調達に失敗しないよう、会社選びは慎重に行わなければいけません。

https://www.carinavi.org

 

返済不要で自由に活用できる資金

このほかにも、返済が不要で自由に事業に活用できる資金として、「補助金」「助成金」があります。
これらは、行政や地方自治体が企画・運営しているもので、数千種類もの制度があると言われています。
また、民間企業、学校、自治体などが主催する「ビジネスコンテスト」があります。
これを受賞できれば、事業資金を調達できますし、アワード受賞企業として、社会の認知度を高める効果も期待できます。

 

このように、活用できる資金調達方法はたくさんありますので、皆さまの事業に最適な方法を選び、資金を有効に活用しましょう!
その他、税金に関する基礎的知識等も分かりやすく解説しておりますので、経営者様の少しでもお役に立てば幸いです。

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