別会社の設立は節税に繋がるのか
業績が波に乗っている企業が別会社を設立することで「節税」に繋がります。
なぜなら、別会社と損益を共有できるからです。
例え設立したばかりの別会社で損失が出たとしても、もう一方の会社の利益で相殺すると、最終的な税金の額を調整できます。
利益を1つの会社で集中させすぎると「法人税」の課税額が大きくなるので、別会社の設立は節税に繋がるのです。
法人税とは
「法人税」は、法人が事業により得た利益に対して課される税金です。
2021年現在は「資本金1億円以下で所得金額800万円超えの法人」に適用される「23.20%」が最大値として設定されており、これは決して小さい額ではありません。
法人税を節税できることが、別会社を設立する大きなメリットなのです。
別会社を設立するメリット
別会社の設立には、法人税を節約する他にもメリットがたくさんあります。
それぞれの内容を理解し、さらなる節約を実現したいポイントがある経営者は別会社の設立を検討しましょう。
交際費の使える範囲が多くなる
「交際費」とは、取引先や事業関係者への贈り物や、接待をする際に発生する費用です。
「サービス業」「飲食業」「出版業」などは特に交際費が多い業界であり、年度あたり800万円を越える費用が計上される場合は、別会社を設立して経費に計上してしまいましょう。
消費税が免除される
消費税に関する特例として、資本金1,000万円以下の事業者は、設立2期目までの納税義務が免除されます。
この制度をうまく活用すれば、納めるべき消費税を賢く調整できるのです。
退職金が支払える
新しく設立した会社に社員を移籍させると「退職金」を発生させられます。
退職金は損金として計上できる立派な経費であるため、節税効果を得ることが可能です。
別会社を設立するデメリット
メリットは大きい一方で、別会社設立に際して発生するデメリットも見受けられました。
余計なコスト以上に節税効果に期待が高まる場合に、別会社の設立を検討するようにしましょう。
設立の承認が下りにくい
別会社を節税目的で設立する人は多く、中には犯罪目的で不正に資金をループさせようとする経営者がいます。
そのような事件もあって、税務署は別会社の設立に厳しい指摘を行ってくる可能性があるのです。
余計なコストがかかる
当たり前ですが、別会社を設立するには費用が必要です。
設立費、ランニングコスト、税務トラブルなど、社長が考えなければいけないことが増えるため、経営に支障が出ないように注意しましょう。
好調な企業ほど検討の価値あり
企業が別会社を設立することで、法人税の節税に大きな効果を示します。
一方で、別会社設立に関するランニングコストや、トラブル対応のコスト拡大も見過ごせません。
好調な企業ほど別会社設立にメリットがありますが、デメリットもしっかりと押さえた上で取り入れる必要があるのではないでしょうか。