決算賞与を社員に支払えば、法人税を節税することができます。

決算賞与とは

決算賞与が出る12月のカレンダー

 

「決算賞与」とは、業績が良い会社が社員に対して年度末に支払う賞与です。
会社や業績によって発生する突発的なボーナスであることから「臨時賞与」や「特別賞与」など、様々な呼ばれ方をします。

 

社員にとっては思いがけない収入として喜ばれる仕組みです。
しかし、実は会社にとっても支給することで有利になる場合があります。

 

経営者が会社のお金を減らしてまで決算賞与を社員に支給するのには、主に「税金」に関する理由がありました。

 

節税に繋がる

決算賞与を支給する一番の理由は「節税できるから」です。

 

支給を行えば「法人税」が節約できます。

 

例えば、資本金1億円以下で所得金額800万円を超える普通法人の場合、法人税の税率は23.4%という高い設定です。

 

しかし決算賞与を支払えば「支給金額×税率」で計算した数値だけ減税できるため、決算の際に社員に対して決算賞与を支払えば支払うほど、法人税の査定に大きな影響を及ぼします。

 

 

他にも決算賞与を発生させるメリットがいくつかあります。
同時にデメリットも確認しておくことで、賢く決算賞与を活用しましょう。

 

 

決算賞与を発生させるメリット

未払いでも損金に入る

決算賞与は支払いの通知をしたタイミングで損金として記帳できます。
通知した段階で支払いが行われなくても構いません。

 

ただし「事業年度終了の日の翌日から1カ月以内に、通知した金額を全額支払う必要がある」などの条件があるので、注意しましょう。

 

従業員のモチベーションになる

決算賞与は該当年度で社員が生み出した利益の分配です。
頑張った分の成果が現金となって社員に返ってくるため、モチベーションの向上に繋がります。

 

ただし決算賞与の説明を十分にしていないと、毎年貰える物と期待してしまう社員が現れるので要注意です。

 

 

決算賞与を発生させるデメリット

手元の現金は減少する

節税に繋がる決算賞与ですが、支給すれば手元の現金は減少するという点に注意しましょう。

 

例えば売上1,000万円の企業に30%の税率が適用されれば、300万円を納税する必要があります。
そこで200万円の賞与を発生させれば、(1,000万-200万)×30%で、納税額を240万円に減税させることが可能です。

 

しかし240万円を納めた上で200万円の賞与を支払うので、最終的には140万円の損失をしているとも考えられます。

 

税務調査の対象になりやすい

節税のために行われることの多い決算賞与を支給すれば、税務調査の対象になりやすいです。

 

不正をしていなければ問題になりませんが、過去の帳簿を遡って不正な動きがないかどうか、最大で3日ほどかけた調査が行われます。
無実を証明する、という手間が発生するかもしれません。

 

 

状況に応じて活用できるように

賞与を計算する会社の経理事務員

 

決算賞与は節税対策に効果が大きい仕組みですが、使い方を間違えるとデメリットが発生します。

 

使うべき状況を見極め、会社の運営が少しでも有利に働くように活用できると良いのではないでしょうか。

 

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