「ファクタリング」とは、企業が保有している売掛金をファクタリング業者が買い取る仕組みです。
売掛金が支払いサイトの期日前に現金化でき、万が一売掛金の債務者が倒産した場合の支払いリスクを回避できるメリットもあって、最近、注目を集めている資金調達手段です。
こちらでは、今すぐ資金が必要となったときの資金調達手段として注目されるファクタリングについてご紹介いたします。
ファクタリングの概要
「ファクタリング」とは、企業が保有している売掛金を専門業者(ファクタリング業者)が買い取る仕組みです。
売掛金が回収されるのを待たずに現金化でき、当座の資金需要を満たす方法として注目されており、活発に利用され始めています。
本来、売掛金は回収期日(相手先から売掛金を支払ってもら期日)に満額を受け取ることができますが、回収期日前に売掛金をファクタリング業者に買い取ってもらい、当座の資金需要に充てることができます。
この時、ファクタリング業者は企業から一定の手数料をもらったうえで売掛金を買い取り、後日、ファクタリング業者は、債務者から売掛金の回収を行います。
最近では、AI技術を活用して効率的な審査を行うことでコストを抑え、低い手数料を提供する「クラウドファクタリング」があり、申込から契約まで全てオンラインで完結するため、全国・24時間どこからでも申込が可能となっているものもあります。
銀行から融資を受ける場合、審査に時間がかかるので、すぐに現金が必要な場合には利用できませんが、ファクタリングの場合、手数料を負担すればすぐに売掛金を現金化することが可能なので、当座の資金需要を充たすうえでとても便利な方法です。
ファクタリングのメリット・デメリット
ファクタリングのメリットとしては次のものがあります。
- 売掛金の早期現金化が実現できること
- 売掛金を支払う債務者が倒産した場合も支払いリスクは発生しない。
一方、ファクタリングのデメリットとなるのは次のものになります。
- 売掛金を現金化する仕組みのため、売掛金以外の資産は利用できない
- ファクタリング業者への手数料が発生
- 3社間ファクタリングの場合、債務者の承諾が必要。
ファクタリングの費用
ファクタリングには、売掛金の債権者、売掛金の債務者、ファクタリング業者による3社間ファクタリングと、売掛金の債権者とファクタリング業者による2社間ファクタリングがあります。
3社間ファクタリングの場合は、手数料が売掛金の1%~5%程度、2社間ファクタリングの場合は売掛金の10%~30%程度とされ、2社間ファクタリングの手数料が高くなっています。
その理由は、売掛金の債権者が、債務者から回収した売掛金をファクタリング業者に支払わないリスクがあるからだそうで、その不安のない3社間ファクタリングの手数料が安くなっているのです。
債務者の承認が必要にはなりますが、手数料が安い3社間ファクタリングの利用をおススメします。
また、クラウドファクタリングでは、AI審査とオンライン処理によってコストを抑え、低い手数料で利用できますので、こちらも検討に値しますね。
このほか、ファクタリングには、手数料以外に、債権譲渡に関する登記手続きのための費用や印紙代金、諸経費が発生しますので、契約締結時にはその内容をよく確認するようにしましょう。
ファクタリング契約時の必要書類
ファクタリング契約のために必要な書類として、商業・法人登記簿謄本、法人代表者登記印鑑証明書、納税証明書があり、このほか決算書、試算表、売掛金の債務者との取引の証拠となる書類が必要な場合もあるそうなので、事前に確認するようにしましょう。
ファクタリングの留意点
ファクタリング業者の中には、一般よりも高い手数料を請求したり、さまざまな名目で費用を追加請求したり、契約書を交付しない悪質業者もいるそうです。
事前の交渉の際には十分内容を確認し、不審な点が認められたら、その業者とは契約しないようにしましょう。
ファクタリングは、中小企業にとって便利でありがたいサービスですが、悪質業者に十分注意して利用してくださいね。