会社経営のあらゆる場面で、資金調達が必要になってくるのです。

国税庁が公表した平成28年度「会社標本調査」によると、赤字企業の割合は全体の63.5%、黒字企業は36.5%となるそうです。
赤字企業で資金需要が高いのはわかりますが、黒字企業でも、日常的に資金繰りに奔走しているのが現実です。

 

こちらでは、黒字企業でも資金が必要となる原因・理由を探り、企業にとっての資金調達の役割・目的について解説してまいります。

 

企業が資金を必要とする原因・理由

業績イメージと電卓

企業の財務担当者は、日々資金の動きを追いかけ、会社の資金状況を把握し、さらに当日、週末、月末の資金残高がどうなるかを予測します。
なぜ常に資金の推移・動向を把握しなければならないのかというと、決済日にお金が不足して不渡りを起こすと、銀行からの信用を失い、最悪の場合は倒産してしまうからです。

 

企業における資金は、さまざまな原因・理由から常に大きく変動しているのです。
では、具体的にどんな原因・理由から資金が必要になるのかご紹介しましょう。

 

 

運転資金の確保

企業が日常的に資金を必要とする理由として、最も多いのが「運転資金の確保」です。

 

製造業であれば、原材料を調達しないと製品が作れません。
小売業であれば、商品を仕入れなければ売り物がありません。
サービス業であれば、原料や資材を揃えなければ、商売ができません。

 

つまり、売上を上げるためには、原材料、商品、資材などを仕入れる必要があり、その仕入代金の支払いのために日常的に多くの資金が必要になるのです。
通常、商品やサービスが売れて、その代金が回収されるまでには時間がかかるため、仕入代金を支払うと手元資金に余裕がなくなるので、不渡り等の回避のためにも資金調達しなくてなりません。
運転資金の確保とは、事業活動を維持・継続していくための資金調達であり、「つなぎ資金」とも呼ばれています。

 

 

宣伝・販促目的の投資資金の確保

商品やサービスを提供して売上を上げるには、時には大々的な宣伝や販促活動が必要です。
製造業では、自社製品の紹介のための展示会・内覧会を大々的に開催しますし、小売業やサービス業でも、新商品・新サービスのアピールのため、大々的な広告宣伝や、試供品・サンプル品を配布する販促活動を活発化させることがあります。
これらの活動には一時的に多額な資金がかかるので、臨時的に資金調達することが多くなります。

 

 

設備投資資金の確保

製造業であれば、工場の建物、構築物、さまざまな生産設備が、小売業やサービス業では、店舗の建物、什器、販売用器具などが必要になります。
これらの設備が故障や老朽化で機能が低下すると、生産性の低下や販売機会のロスを招くため、修理、交換、あるいは新設・増設の必要があります。
通常、設備投資には多額の資金がかかるため、資金調達の必要が生じます。
多額な資金を必要とする設備投資においては、その効果を事前にシミュレーションして、適切な設備投資計画を立てる必要があります。

 

 

商品開発のための研究開発費の確保

製造業では、新商品を生み出すために多額の研究開発費用を必要とします。
通常、企業内部に蓄えられた内部留保金から支出されますが、商品開発は時間との勝負でもあるため、資金が足りなくても開発をしなければならないことが多く、臨時的に資金調達に頼ることが多くなります。

 

 

新事業のための投資資金の確保

今は業界内で優位な立場にあっても、ライバル企業の攻勢が強まったり、他業界からの新規参入があったりすると、業界内の地位が脅かされます。
また、今は好調な業界であっても、社会・環境問題の発生、国際的な圧力、国内の法規制の改正などによって途端に業界不況に襲われることがあります。

 

このような事業環境の変化に備えるため、新事業の創出や事業の多角化が図られることがあります。
この場合、必要となる資金は多額になるため、資金調達の必要が生じます。

 

 

銀行との取引安定化のための資金調達

ユニークな話ですが、資金需要が無くても資金調達を行う場合があります。
それは、取引のある銀行に返済実績を作ることで、銀行からの融資を受けやすくするためです。
返済実績があるということは、返済能力があるということなので、銀行にとっては安心して融資できる相手先と評価してもらえます。
このため、必要も無い資金を短期で借りて即日返済することがあるのです。

 

このように、企業が事業活動を継続していくためには、さまざまな原因・理由から資金需要が起き、そのために資金調達が必要になってくるのです。

 

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