融資や投資以外の選択肢
資金調達は融資や投資が全てではありません。
条件さえ満たせば、国の支援制度だって利用できます。その際に注目したいのが「補助金」と「助成金」です。
創業間もない企業のバックアップを目的にしたものから、中堅会社の運営の後押しを目的にしたもまで様々な支援金が用意されています。
資金調達に幅を持たせたい場合は、自社の方針に応じた支援制度を活用できるようにしてみましょう。
補助金の一例
「補助金」は、総務省が提供する支援制度です。
新規事業の支援や国策のために予算が組まれているため、提供数や使い道が限られています。
支給条件はそれぞれ異なり、厳密であるため、比較的活用の難易度が高い支援制度です。
ものづくり補助金
中小企業などを対象に、生産性を向上させるための開発・改善に必要な設備投資費用を支援する補助金です。
ものづくり補助金という名前ですが、製造業だけでなく、カフェや果樹園など、様々な業界で申請できます。
持続化補助金
経営者が事業を継続するために必要な資金を支援する補助金です。
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、制度に注目が集まりました。
該当月における売上が前年同月比で50%以上減少している事業者が対象となったため、多くの事業者を手助けした補助金です。
助成金の一例
「助成金」は、厚生労働省が提供する支援制度です。
受け取るための条件を満たせば全ての企業に対して支払われる支援金であるため、定員を気にする必要がありません。
しかし中には条件が厳しく設定されている助成金もあるため、受給を求める際にはしっかりとした準備が必要です。
キャリアアップ助成金
非正規雇用者の労働意欲や生産能力向上を目的とし、優秀な人材確保を求める企業に支払われる助成金です。
アルバイトや派遣社員を正社員に昇格させ、人手不足を解消したい事業者に利用されています。
人材確保等支援助成金
労働環境を改善したい事業者を支援するための助成金です。
最近では「テレワークコース」が新設され、新しい働き方を取り入れたい事業者にとっても積極的な利用を検討したくなる助成金になりました。
補助金や助成金は返済の必要がない
補助金や助成金は基本的に返済する必要がありません。
銀行から融資を受ければ返済の必要がある上に金利が発生するため、最終的には借りたお金以上の支出が生まれます。
しかし補助金や助成金を上手く利用できれば、少なくとも返済における負担はなくなるのです。
資金調達の際に覚えておきたいこと
補助金や助成金による資金調達で覚えておきたいことは「全額負担ではない」という決まりです。
多くても「必要資金の半額まで」という条件が多いため、基本的には銀行融資や出資なしに補助金や助成金だけで資金調達を完結させることはできません。
条件に当てはまったら応募を検討する
補助金や助成金は条件さえ満たせば誰でも利用できる上、返済する必要のない資金です。
しかし残念ながら、事業に必要な全額の費用を賄うことはできません。
銀行融資や出資と組み合わせた活用方法を検討してみてはいかがでしょうか。