優れた知的資産や独自のノウハウがあるので事業を起こして成功したい!だけど、資金が無いためそれができない…
一昔前は、こんな思いをして事業化を断念した、優秀な学生・研究者、若き起業家が多くいました。
しかし、今では、「ベンチャーキャピタル」によって、これらの学生・研究者・起業家が事業化を果たして成功を収める機会が増えてきました。
ここでは、ベンチャーキャピタルとは何か、その概要についてご紹介いたします。
ベンチャーキャピタルとはどんなもの?
ベンチャーキャピタルとは、資金があれば成長の可能性が高い事業を計画している中小企業・個人事業主に投資して、将来の成長・発展の後には株式を売却するなどで投資の回収を図ることを目的とした企業です。
ベンチャーキャピタルの投資対象となる企業を「ベンチャー企業」、投資対象となる事業を「ベンチャービジネス」と呼んでいます。
ベンチャーキャピタルは、株式上場やM&Aによってベンチャー企業に投資した株式を高く売って利益を得ますので、こうした見込みのない企業・事業には出資を行いません。
このため、優れた知的資産や独自のノウハウがあったり、優れた経営能力を有していたりする場合、投資対象として出資してくれる可能性が高まります。
ベンチャー企業としては、将来返済の必要のない資金が一度にまとまって手に入るというメリットがありますが、同時に、大株主となるベンチャーキャピタルのモニタリングを受けて事業を遂行していくことになるので、自由気ままな事業展開はできなくなります。
ベンチャーキャピタルの仕組み
ベンチャーキャピタルは、高い成長性が見込まれる企業に対して、事業を成長させるための資金を株式投資の形で提供します。
投資に際しては、まず、ベンチャー企業に対してデューディリジェンス(企業に対する調査)を行い、技術やノウハウ等の評価や財務面での分析に加えて、経営者の将来ビジョンについても確認したうえでベンチャー企業の将来性を判断し、投資を決定します。
ベンチャーキャピタルは、投資した後は、資金面のみならず、人材の紹介、販路の開拓、株式上場やM&Aの検討などさまざまな形で経営に深く関与して、ベンチャー企業の企業価値を上げる努力をしていきます。
そして、株式上場やM&Aなどによってベンチャー企業の株式を売却し、これにより得られた値上がり益(キャピタルゲイン)とともに、株式投資をした資金を回収するという仕組みになります。
投資事業組合(ファンド)の役割
ベンチャーキャピタルは、ベンチャー企業に対して株式投資を、投資事業組合(ファンド)を通じて行うのが通常です。
ファンドは、金融機関や機関投資家などからの出資によって組成され、ベンチャーキャピタルがそのファンドの運営・管理を行っていきます。
投資後は、ベンチャー企業の企業価値向上のためにさまざまな支援を行います。
そして、株式上場やM&Aなどで得られたキャピタルゲインを、ファンドの出資者に対して、出資の割合に応じて分配されます。
ベンチャーキャピタルの活用
ベンチャーキャピタルは、ベンチャー企業に対して、その企業価値を上げるため、投資に加えて、さまざまな経営支援を行います。
一方、ベンチャー企業では、投資対象となった技術・ノウハウや経営能力を事業として成功させるために邁進することが求められます。
このように、ベンチャーキャピタルとベンチャー企業の双方の役割と目的がはっきりしており、この点について双方がしっかりと理解し、認識が一致していれば、大変強力なビジネスモデルと言えます。
実際、アメリカでは、マイクロソフト、アップル、グーグル、フェイスブックなどがベンチャーキャピタルの支援を受けて大成功しています。
自社に優れた知的資産や独自のノウハウがあり、それを事業化させたい場合には、最適な資金調達手段と言えますが、ベンチャーキャピタルとベンチャー企業の双方の理解と認識が一致していること成功のカギと言えます。
ベンチャー企業としては、信頼できるパートナーとなるベンチャーキャピタルを見つけることが重要なポイントになります。